懐が寒いんだけど
「お父さん。懐が寒いんだけど。」
我が次男君とお風呂に入っていると、急に次男君が宣いだした。
どういうつもりなのか?この寒空にシャワーで済ましているせいで体が冷えてきていることを「懐」と表現したのか、または、お金というものが欲しくて「懐」と表現したのか・・・・。
「次男君。懐が寒いって意味わかる?」
「???わかんなーい。」
そうそう。わからなくていいのだ。まだ知るには若い。若すぎる。
と私が回想しているときに、我が家の暴走弾頭の長男君が宣いやがった。
「次男君。懐が寒いっていうのは、お金が少ないってことだよ。」と。
「そうなの?じゃあ、僕のお小遣いが少なくなってきたからちょうだい。」と次男君。
・・・・・・・・・・。
なんという展開だ。きっと次男君は体が冷えてきて寒いと表現しただけなのに、暴走列車長男君のたった一言でお金をせびられるとは。
こういう時、私には必殺技がある。
「次男君。良い言葉をせっかく覚えたから、じいちゃんに教えてあげたら?」と。
そう。私の父だ。
ある時は、ご褒美爺さん。ある時は、爺サンタ。ある時は・・・・・。言い出したらきりがない。マネーの虎ばりの男気だ。「ノーマネーでフィニッシュです。」という言葉は未だかつて聞いたことがない。よくまあ、やりくりして孫のために頑張ってくれている。なかなか真似ができない。
とまあこんな感じのやり取りがあったわけで。世はクリスマスモードになってきた。あるおもちゃ量販店では爺さん婆さんと孫グループがわんさか。サンタさんはたくさんいるのだ。しかも、男女問わず。爺サンタ、婆サンタ。かわいい孫の為なら資産という名のソリに乗ってどこまでも行くよ。素晴らしい。コロナなんて関係ねぇー。
障害はあれど、生きていく術を日々習得していく次男君にこれまた考えさせられた出来事だった。