一人で悩まないで。きっと、大丈夫。
私には子供がいます。障害を持っています。
なんの障害?
「自閉スペクトラム症を伴う軽度の知的障害」という診断名を頂いています。
その他にも先天的な奇形などがあり、生まれてから今まで数回の手術を乗り越えてきてくれました。
先天的な奇形以外の異変に気付いたきっかけは子供が3歳くらいの時に、急に言葉を発しなくなった?というか、感情の表現というものが乏しくなったという感じがあり、妻と共に「なんかおかしいよね?」と話していました。とくに妻はずっと一緒にいるので日に日に不安が増していたようでした。やはりここは一度専門の病院へ相談したほうがいいと判断し、病院へ連れて行きました。
色々な検査を行い、検査結果は冒頭の通り。
まさか、自分の子供が。っという、どこかの小説に書いてあるような感情がどんどん出てくる出てくる。
検査結果を告げられ、担当の先生が去った後、妻は号泣。
「自分が悪かったのかな・・・。」と妻はポツリ。
「そんなことはない。まったく関係ない。誰も悪くない。」と思いながらも、何も言ってやることができない私。私自身もショックでした。
ここで二人で落ち込んでいても何も進まないため、先生のアドバイスをもとに、今後の療育についてしっかり考えていくことにしました。
運がいいことに、私が住んでいる地域には、発達障害やその他障害を持っている子供を対象に療育をしてくれている施設があり、そこにお世話になることになりました。
基本的には妻が付き添いで療育に行ってくれていました。私も療育施設に通う日と仕事の休みが合うときは行っていました。
その時に、息子の療育の様子を見ての感想。
「え?ここまでひどかったのか・・・・。」
自分の名前が言えない。年齢が言えない。人の話が座って聞けない。座って聞けないどころか、マイワールドに入ってしまい、エアー食事(目の前に何もないのに、何かをつかんで食べる真似)をする始末。少し目を離すと、同じところをぐるぐる歩き回ってしまう。
療育施設ということもあり、私の子供以外もいろいろな個性を持った子供がたくさんいました。いきなり大声で叫ぶ子供。少しの物音にも敏感に反応して泣いてしまう子供。まあ、それは今までに経験したことのない世界でした。
山のように課題が出てくる中、療育施設の先生たちのサポート、妻の不断の努力の甲斐あって、幼稚園に入園するまでには、なんとか通常の集団生活を送ることができるまでに改善しました。
しかし、そうは言っても健常者の子供と同じようにはできません。
幼稚園でもサポートの先生を一人つけていただかなくてはいけないという課題が。
幼稚園を選ぶ時にも悩みましたが、運がいいことに、自宅から通える幼稚園が、息子を引き受けてくれるとの連絡が!!!しかも、サポートの先生をつけてくれるというなんとも有難いお話まで。
幼稚園の先生方の多大なるサポート、周りのお友達の優しさもあり、集団生活という部分は何とか乗り越えることができました。しかし、知的障害という部分の改善はなかなか難しようで。こればっかりは、どっしり、ゆっくり構えてやっていくしかないのかなと思いました。こちらが焦って行動し過ぎても、息子のキャパオーバーになってしまっては意味がありません。周りの子よりもゆっくりでいいんです。コツコツと自分ができることを少しずつできるようになれば。それでいい。
幼稚園も卒業し、現在は小学生1年生。毎日楽しく学校に通えていると思います。
学習スピードは遅いですが、本人が楽しんで学校に行っているのが一番うれしいです。
ある方が教えてくれました。
「教科の勉強は、将来の勉強の「やりかた」を学ぶためだから、勉強を嫌いにならないようにすれば大丈夫。できる、できないではない。勉強は、「できない⇨できる」にするためにする。だから一つでもできない、ができるようになればいいんです。」
これからもいろいろな問題が出てくるでしょう。楽しいことばかりでは無いはずです。
その問題をクリアーできるようになるためにも、私自身、いろいろな事を学び、そして学んだことを自分の家族をはじめ、困っている人たちのために使っていく。それが私の生きていく上での使命。って言うとカッコよ過ぎかもしれませんが。生まれてきて数年の息子の姿に教えられました。
なにかしら悩みを抱えている方。一人で悩む必要はありません。今はいろいろな方法でいろいろな人とつながることができます。私たち夫婦も息子の異変に気付いて早い段階で動けたことで、今に至っています。もし、あのとき、「ま、いっか。大丈夫だろ?これぐらいは個性の一部だよ。」と楽観視していたら、今頃はどうなっていたことやら・・・・。
先日、息子からプレゼントをもらいました。手紙です。
絵も描けない、字はなんとか読めるが書ける気配がなかった子が、手紙を書いてくれました。
しかも、書いてくれた内容が・・・・。涙が出てきます。ってか出ました。
息子のマイブームが、いろんな「ありがとう」を届けることみたいです。
同じような悩みを抱えている方。大丈夫です。お子さんは自分なりに頑張っています。それを親である私たちがしっかり受け止めて、フォローをしてあげれば、お子さんは応えてくれます。投げ出したくなったり、イライラしたりすることもあるでしょう。私たちにもありました。でも、一つでもできることが増えると、そんな気持ちも吹っ飛びます!!
ここまで、読んでいただきありがとうございました。
同じ悩みを抱えている方へ、何かしらお役に立てれば幸いです。
今日のちょっと一息
目の前の小さな「ありがとう」に気付けると、大きな「ありがとう」が返ってくる。